「ミネラル」という言葉はミネラルウォーターに代表されるように、最近では聞きなれた言葉ですよね。また多くの女性の方は、普段から肌のお手入れの一つとしてパックをされていると思います。(もちろん男性の方でもパックをされる方はいらっしゃるでしょうが。)では、この二つを合わせたような「ミネラルパック」とは一体どのようなものなのでしょうか。
歯科におけるミネラルパックとは、歯の表面にミネラルを供給するためにパックをする、つまり歯の表面を修復して強くすることを意味します。歯はミネラルから出来ており、脱灰した部分は唾液の力で再石灰化が起こると述べましたが、実は唾液中のカルシウムやリンだけでは十分ではなく、再石灰化を助けるためにミネラルパックを行います。パックに用いるペーストに含まれるCPP-ACP(リカルデント)は、牛乳由来タンパク質の分解産物であるカゼインホスホペプチド(CPP)と非結晶性リン酸カルシウム(ACP)の複合体で、酸性になった環境を中性に戻し、生体が利用可能なカルシウムとリンを過飽和状態(高濃度)でお口の中に供給してくれます。これにより十分なミネラルが供給されるため、再石灰化を促進し歯を強くするのです。ミネラルパックは予防のためだけではなく、初期のむし歯(なりかけ)に対して脱灰した部分を回復したり、露出した歯根表面のセメント質を硬くし根面う蝕(むし歯)にかかりにくくしたりします。また、ホワイトニング(歯の漂白)を行うと歯の表面の硬さが10%減少すると言われているので、ホワイトニング後のケアにも有効です。
ミネラルパックの方法はいたって簡単で、洗口や歯みがきの後に歯のクリームであるMIペーストをパック(塗布)して3分後に余剰分は吐き出し、30分後を目安に少量の水でうがいをします。このようにミネラルパック自体は簡単な処置ですが、継続することにより再石灰化の促進、歯質の強化と大きな効果をもたらします。ぜひ皆さんもこの機会に、肌のお手入れに加えて歯のミネラルパックを始められてはいかがでしょうか。きっと健康な歯でいられると思いますよ。
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