メインテナンス

メインテナンスとは

 メインテナンスとは、歯周基本治療、歯周外科治療、口腔機能回復(修復・補綴)治療により治癒した歯周組織を、長期間維持するための健康管理です。メインテナンスは、患者さんが行うセルフケアと、歯科医師・歯科衛生士によるプロフェッショナルケアからなります。これに対して、治療により病状安定となった歯周組織を維持するための処置は、歯周病安定期治療(supportive periodontal therapy:SPT)といい、安定はしているが一部に治癒していない部位がある場合に行います。また、病状が進行してしまった場合は再治療の対象となります。

メインテナンスはなぜ必要なのでしょう?

 天然歯やインプラントを長期的に良好な状態で維持するには、患者さんによるセルフケアが主体となります。しかしながら、毎日ケアを行っていても完全に汚れを落とすことは困難ですし、歯と歯肉のすきま、いわゆるポケット(健康な状態では歯肉溝といいます)内の清掃は実際には不可能です。そこで、日常のセルフケアの他にプロフェッショナルケアが必要になります。つまり、患者さんと私達の役割分担、共同作業によるメインテナンスによって健康な状態が維持できるわけです。

 メインテナンスの目的を整理すると
  • 歯周病再発の予防
  • 新たな歯周病発症部位の早期発見
  • 良好な歯周組織環境の長期にわたる維持
 となります。

具体的に何をするのでしょう?

 定期的なリコール(一定期間経ってから、再びの診察)により

 口腔衛生指導(プラークコントロール)

 専門的機械的歯面清掃(PMTC)

 スケーリング、ルートプレーニング(SRP)などを行います。

本当の健康を目指して

 むし歯や歯周病がない状態、これはすばらしいですよね。さらに、白く、ピカピカした美しい歯であればもっと素敵ですよね。やはり白く輝く歯の笑顔に勝るものはありません。欧米では、髪形やお肌の状態よりも美しい歯の笑顔を重要視する人が多いと言われています。お口の健康は自信につながり、積極的な性格になれます。

 一方、むし歯だらけ、歯周病で歯はグラグラ、着色だらけで口臭がひどい、こうはなりたくないと誰しも考えると思います。でも、お手入れ、定期健診やクリーニングを一切しない、つまり自分自身の努力がないのではとてもいい状態を達成できません。それにはまずは毎日のセルフケアを充実させ、どうしてもご自身だけでは対処出来ないところは、われわれプロにお任せ下さい。きっと皆様の健康作りのお役に立てると思います。

 ところで、健康とはどのような状態なのでしょうか。もちろん病気にかかっていない状態ですが、はたしてそれだけで健康と言えるでしょうか。WHO(世界保健機関)は、健康の定義を「単に病気がなく病弱ではないというのではなく、身体的、精神的な、社会的に良好な状態」としています(病気ではない≠健康な状態)。

 お口の機能は食べること、話すことにとどまらず、笑うこと、表情を作るといった感情表現や精神的な健康にも影響を及ぼすと言われています。むし歯や欠損がなく、きれいな白い歯であれば、きっと素敵な笑顔になれるでしょうし、何事にも自信を持って積極的に向かうことが出来ます。また、咀嚼機能が良好でよく噛めるということは、日常活動、全身的な健康、心の健康に寄与し、QOL(Quality of Life)の向上に役立っていると考えられています。QOLが高まってこそ、真の「健康」と言えるのではないでしょうか。

 皆さんの中には、たとえ歯石が沈着していなくても、着色が気になるという方も多いと思います。でも残念ながら、現状の保険医療では病気を治すことが目的で、予防するための行為は含まれません。しかし、本当に重要なのは病気を治すことではなく、病気にならないように予防することだと考えられます。オプティマルヘルス、すなわちあなたにとって「最高・最善の健康状態」を手に入れませんか。

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