インビザライン

矯正治療について

矯正治療について
 歯並びや咬み合わせが悪いと次のような障害を引き起こします。
  1. むし歯になりやすい
  2. 歯周病の進行が早い
  3. 発音へ影響を与える
  4. 咀しゃく機能へ影響を与える
  5. 外傷にかかりやすくなる
  6. 顎の成長に影響を与える
  7. 理想的な状態で被せ物やブリッジなどの治療が出来ない
  8. 顎関節の障害を引き起こす恐れがある
  9. 筋肉の運動に影響を与える
  10. 心理的な影響を与える
 以上のような障害に対して審美性の改善、機能の回復、環境の改善を目的に歯列矯正を行いますが、治療の範囲も1本の歯から全体に至るまで様々です。

当院のマウスピース矯正装置

インビザラインシステム
 通常の矯正治療はワイヤーを固定し歯を移動するため、見た目を気にしたり、矯正装置装着後の負担を考えると、治療に踏み切れない方が多くいらっしゃいます。 当院では、このような負担を解消するため、インビザラインシステムを導入し、 透明で気にならず、取り外しのできる機能的で効果的な矯正治療を行っております。

インビザラインの特徴

インビザラインシステム
 インビザラインであれば、透明なので、矯正治療中であっても笑顔を見せることができます。相手に伝えない限り、誰も治療を受けていることに気づかないでしょう。透明で取り外しが可能なマウスピース「インビザライン・アライナー」を順次装着することで、きれいな歯並びへと変化を遂げていきます。インビザライン・アライナーは5日から7日ごとに新しいものに交換します。少しずつ歯が移動するにつれて、理想的な笑顔へと近づけて行きます。
インビザラインシステム
自分で取り外し可能、しかも快適

 インビザライン・アライナーの装着は違和感が少ないので、日頃の多忙なライフスタイルにも支障がありません。 矯正歯科医院での受診のたびに、治療の進行状況を確認し、新しいインビザライン・アライナーを受け取ります 。自分で簡単にに取り外し可能なので、食生活もこれまで通りです。 歯磨きやフロスにも全く影響がないので、歯と歯周組織をこれまで通り健康に保つ事ができます。

インビザラインシステム

 インビザラインは、ブラケット(金具)やワイヤーを用いない、透明なマウスピースを使用する矯正法です。目立たないため見た目を気にしなくてよく、取り外し式のため治療中も清掃がしやすいなどの利点があります。また、「アライナー」と呼ばれるマウスピースは透明な樹脂で出来ているため、金属アレルギーがある方でも安心して使用出来ます。

 一方、歯列不正の状態によってはマウスピース矯正では時間がかかりすぎる、歯が動きにくく治療が困難ということがあります。その場合は、インビザラインと他の装置を併用する、ブラケットとワイヤーによる治療(マルチブラケット)などの選択肢を採用します。いずれにしても、状態を拝見してのご相談となります。
では、実際にどのような治療の流れになるか、簡単にご説明します。

治療開始から完了まで

  1. 診査、診断用模型、口腔内写真、顔貌写真、X線検査などから診断を行い、大まかな治療方針を立案します。
  2. アライナー作製のための印象(歯型)を採り、治療方針に基づく治療方法を指示すると、7~10日ほどで、コンピューターでシミュレートされた治療計画書が届きます。
  3. 治療計画書の内容に問題がなければ、アライナー作製の指示を出します。これにより、患者さん一人ひとりに合わせた、カスタマイズされたアライナーが作製されます。
  4. 発注から2〜3週間ほどで治療開始から完了までのすべてのアライナーが届きます。
  5. 効率よく歯の移動を行うため、「アタッチメント」を指示された歯の表面に設置します。歯の表面は薬物処理して接着しますが、切削することはありません。
  6. アタッチメントの設置が完了したら、1ステージのアライナーを装着して治療開始です。1日20時間以上使用していただき、5〜7日ごとに次のステージのアライナーに順次交換しながら装着してゆきます(お食事中はアライナーを外し、専用のケースに保管)。
  7. 定期的にご来院いただき、状態の確認と資料の採取を行います。診療後のお帰りの際には、次回の来院予定に合わせて何ステージ分かのアライナーをお渡しします。
  8. 最終ステージ終了の段階で追加の治療が必要と判断された場合は、すべてのアタッチメントを除去のうえ、印象採得と写真撮影を行い追加のアラーナーを発注して治療を継続します。3回目以降の追加アライナー発注については手数料のみが発生します。
*ご不明な点は担当者にお問い合わせ下さい。

マウスピース矯正治療において推奨されない症例

 このようにインビザライン治療は多くのメリットを有しますが、すべての治療に対応できるわけではありません。
インビザラインに限らず、マウスピース矯正では不得意な歯の移動様式があり、治療法の第一選択とはならない場合があります。
 たとえば
  • 抜歯症例で大きな歯の移動が必要(大きな移動量での歯体移動は困難)
  • 大きな回転、圧下・挺出が必要(著しい捻転、著しい開咬や過蓋咬合などの垂直的な異常)
  • 乳歯列期、混合歯列期で顎骨の成長発育や歯の萌出の正確な予測が困難
  • 顎が曲がっているなどの骨格性の不正(外科矯正治療の適応)
などが挙げられます。
 このような場合には、ブラケットとワイヤーを用いたマルチブラケット装置で治療したり、あるいはマウスピース矯正との併用で対応したりすることになります。

矯正治療の方法

 矯正治療とは、歯あるいは顎骨に対してある方向の荷重(=矯正力)をかけて歯を動かす治療方法ですが、単に歯を動かす治療のことではありません。歯周組織、顎、さらには顔面の成長要素を考慮したうえで行う治療です。

 装置はかける力の種類により、器械力によるものと筋肉の力によるものとに分けられ、また装置の着脱により固定式と可撤式に分けられます。矯正装置という言葉から皆さんがイメージするのは、ブラケットという金具(プラスチックやセラミックもありますが)とワイヤーを使った治療方法ではないでしょうか。これは器械力による固定式のもので、数種類のワイヤーを使用し、少しずつ歯を移動させていきます。

 あるいは、上下一体となったプレートにワイヤーを組み込んだ、筋肉の力を利用した可撤式の装置もあります。他にもいろいろな装置があり、状態や治療方法により術者の判断のもと用いられます。しかし、いずれの装置も審美的に気になるところだと思います。そこで最近ではマウスピース矯正といい、歯を動かすステップごとに何種類ものマウスピース(プレート)を作製し、これを一定期間ずつ装着することにより治療する方法が盛んに行われています。ただし、すべてに適応出来るわけではなく、従来の方法の方が有利な場合もあります。当院でもマウスピース矯正を採用しておりますので、詳しくは当院スタッフにお問い合わせ下さい。

矯正治療の実施に際して

 矯正治療は単に歯並びがきれいになればいいわけではありません。単純に歯を移動させただけでは審美的な満足を得られないばかりか、機能的な問題が生じてしまいます。

 たとえば、長年にわたり身についてきた態癖などの悪い習慣で顎がずれている状態で矯正を行ってしまうと、一見きれいに歯並びは治ったようには見えますが、顎関節や筋肉の調和が取れないまま治療したために、矯正治療を受けて歯並びをきれいにしたのに噛みづらいということが起こるのです。

 このような歪がある状態で矯正治療を行っても治りにくいだけでなく、治療後の後戻りが起きやすいといわれています。矯正治療のみならず、力のアンバランスを無視した歯の治療は危険です。力をコントロールしないと口から年をとるともいわれます。健やかな成長発育、エイジングのためにも力のバランスケアを行いましょう。

 当院では、しっかりと態癖などの問題点をチェックし診断を行い、適正な下顎位を探したうえで歯列矯正を行うようにしております。

ライフステージを考慮した対応

 乳歯列期から混合歯列期を経て永久歯列が完成される時期は、理想的な歯列・咬合が確立されなければなりません。また、歯のみならず顎関節、口腔周囲筋、咽頭周囲筋、頸部の筋肉、骨格などの正常な機能獲得も考慮しなければなりません。それによって初めて、咀嚼機能、摂食・嚥下機能、呼吸機能、発語機能という口腔の機能が正常に獲得され、健全な成長・発育を遂げたことになります。そしてその後の健全なエイジング、健康寿命の延伸へとつながります。しかしながら、先天的な異常がなくても、普段の生活における様々な習慣が正常な成長・発育を阻害し、生体にいろいろ問題を引き起こします。この時期に正常な機能が獲得されないと顔面や姿勢のゆがみを生じ、ひいては種々の形で全身に影響を及ぼし、やがてはその後の人生においても問題を残すことになります。そのような意味で学童期を中心とした時期は、お子さんにとってはとても大事な、決して後戻りの出来ない特別な時期なのです。

 当院では、以上のようなことを重要視し、態癖をはじめとする生活指導に力を入れ、筋機能訓練も合わせて行い継続的に管理することにより、適切な時期に必要最小限の矯正治療の介入で問題を出来るだけ解決する方法をとっています。もちろん全ての問題が必ずしも解決されるとは限らず、この時期の矯正治療を第一期治療とすれば、成長のピークが終わった頃の第二期治療が必要な場合もありますが、継続管理下にあればスムーズに移行出来ます。

 むし歯や歯肉炎も含めお子さんの現在の状態はどうなのか、もう矯正治療は始めた方がよいのかなど、保護者の方は他にも心配なことが多々おありになると思います。まずはお気軽にご相談下さい。なお、当院では矯正専門医との連携も行っております。