顎関節症

顎関節症とは?

顎関節症とは?
  顎関節症とは、「あごを動かすと痛い」「筋肉が凝る」「口を開けると音がする」「あまり口が開かない」などを主症状とする疾患で、むし歯や歯周病とともに歯科における三大疾患の一つです。

 総称名ですので、この中には様々な病態があり、口を開けたり閉じたりする筋肉の痛み、関節包の障害、関節円板(軟骨のようなクッション)の障害、骨の変形に分けられます。

顎関節症の分類

 顎関節症は病態により次のように分類されます。

1)関節自体には異常がなく、筋肉に痛みやこわばりがある状態

2)関節自体には異常がなく、関節包に痛みがある状態

3)関節円板*の位置がずれた状態
a. 復位型(カクンと音がする) 口を開けた時に位置が戻る状態(閉じると再度ずれる)
b. 非復位性(開くと突っ張る) 口を開けた時も位置が戻らない状態(ずれたまま)

4)下顎頭(関節の頭)の骨に変形がある状態

*関節円板とはコラーゲンと呼ばれる線維のかたまりで、側頭骨(関節のくぼみ)に力が過大に加わらないように、下顎頭と協調して移動することにより圧力を分散します。

顎関節症の原因

 原因はいろいろ考えられますが、大きく分けて次の3つがあります。

1) かみ合わせに問題がある場合
 見た目にはかみ合わせに大きな問題がなさそうでも、あごが複雑な動きをする中で上下の歯が好ましくない接触をするため、関節や筋肉に無理がかかってしまいます。

2) 睡眠時ブラキシズム
 睡眠中の歯ぎしりや食いしばりが強いために、あるいは出現する時間が長いために歯やあごに過重な負担がかかってしまいます。

3) 生活習慣
 覚醒時の食いしばりや歯列接触癖(TCH)、横向き寝やうつぶせ寝などの睡眠態癖、頬杖、体操座り、職業癖、ショルダーバッグ癖、趣味癖、家事癖、スポーツ癖、テレビ癖などがあり、顎関節に無理がかかるだけでなく、歯列(歯の並び)、肩や首などを歪ませてしまい、全身に影響を及ぼします。

 このうちの一つが原因の場合もあれば、いくつかの原因が重なっている場合もあります。実際には発症の時期を特定することが困難なこともあり、一般的には複数の因子が絡み合っていると考えられています。

正確な診断のために

病態を把握するためにCT検査、MRI検査、睡眠時筋電図検査などを実施し、正確な診断を行います。