歯が生えそろってからでは遅い場合も!
「矯正治療はいつ始めればよいか?」という問いに対し、「永久歯が生えそろってから」という返答はあてはまらない場合もあります。なぜならば、永久歯が生えそろうまで様子を見たために問題が解決しないばかりか、問題が大きくなってしまう場合があるからです。乳歯から永久歯に生え変わる途中で適切な時期に少ない治療の介入で解決することも少なくありません。逆にこの時期に治療を行わなかったために重症化し、永久歯が生えそろってから大がかりな矯正治療が必要になってしまうことすらあります。状態にもよりますが、一般的に奥歯よりも前歯の方に問題が起こりやすいと言われています。ですから一つの目安として、前歯の4本が出てきて6本が生えそろうまでの間に、でこぼこの改善や生えてくる歯のスペースを確保してあげれば、その後は治療の必要がなかったり、追加の治療が軽減出来たりします。とは言っても、保護者の方が適切な時期を判断されるのは必ずしも容易ではありませんから、定期的な健診で診察のうえ判断させていただくのがよろしいかと考えます。
お子さんの矯正を行うタイミングは?
- 矯正治療において3~10歳頃に始めるのは1期治療(小児矯正)、永久歯が生えそろう頃に行うのは2期治療(本格矯正)と区別されます。1期治療だけで問題が解決し矯正治療が終了となる場合と、2期治療を見据えての1期治療となる場合があります。
- 1期治療の時期は、乳歯と永久歯の交換時期であり、成長発育の盛んな時期です。この時期にいかに適切な治療介入を行うかがカギです。
- 治療というのは矯正治療そのものだけではなく、習慣の改善や筋機能訓練も含まれます。
- 歯並びや咬み合わせの改善をどこまで求めるかによりゴールの設定は変わってきますが、必ずしも100%でなければならないとは限らず、たとえば80%でもいいということもあると思います。残り20%の仕上がりを求めるか求めないかで、治療期間や費用が比べものにならないほど変わってきます。しかも成長発育を正しい方向へ導くという点では、1期治療はとても重要になってきます。
- むし歯がないからいい、クリーニングできれいになっているから十分と思わずに、正常な乳歯と永久歯の交換、正常な永久歯列、さらには正常な顎関節の機能、健やかな顔面、頭頸部の成長・発育を目指しましょう。
- それには普段のセルフケア、定期健診とプロケアの他、日常の生活習慣、悪習癖の改善が必須です。当院では、習慣の改善、口腔筋機能の訓練を組み入れた1期治療に積極的に取り組んでおります。