矯正治療

歯列矯正とは

歯列矯正とは
 歯並びや咬み合わせが悪いと次のような障害を引き起こします。
  1. むし歯になりやすい
  2. 歯周病の進行が早い
  3. 発音へ影響を与える
  4. 咀しゃく機能へ影響を与える
  5. 外傷にかかりやすくなる
  6. 顎の成長に影響を与える
  7. 理想的な状態で被せ物やブリッジなどの治療が出来ない
  8. 顎関節の障害を引き起こす恐れがある
  9. 筋肉の運動に影響を与える
  10. 心理的な影響を与える
 以上のような障害に対して審美性の改善、機能の回復、環境の改善を目的に歯列矯正を行いますが、治療の範囲も1本の歯から全体に至るまで様々です。

矯正治療の方法

 矯正治療とは、歯あるいは顎骨に対してある方向の荷重(=矯正力)をかけて歯を動かす治療方法ですが、単に歯を動かす治療のことではありません。歯周組織、顎、さらには顔面の成長要素を考慮したうえで行う治療です。

 装置はかける力の種類により、器械力によるものと筋肉の力によるものとに分けられ、また装置の着脱により固定式と可撤式に分けられます。矯正装置という言葉から皆さんがイメージするのは、ブラケットという金具(プラスチックやセラミックもありますが)とワイヤーを使った治療方法ではないでしょうか。これは器械力による固定式のもので、数種類のワイヤーを使用し、少しずつ歯を移動させていきます。

 あるいは、上下一体となったプレートにワイヤーを組み込んだ、筋肉の力を利用した可撤式の装置もあります。他にもいろいろな装置があり、状態や治療方法により術者の判断のもと用いられます。しかし、いずれの装置も審美的に気になるところだと思います。そこで最近ではマウスピース矯正といい、歯を動かすステップごとに何種類ものマウスピース(プレート)を作製し、これを一定期間ずつ装着することにより治療する方法が盛んに行われています。ただし、すべてに適応出来るわけではなく、従来の方法の方が有利な場合もあります。当院でもマウスピース矯正を採用しておりますので、詳しくは当院スタッフにお問い合わせ下さい。

小児矯正

 
矯正治療を始める時期

 一口に矯正治療と言っても、不正咬合の種類により対応する時期や治療方法は異なります。もちろん、使用する装置も様々です。でも、これでは保護者の方は困ってしまいますよね。ポイントは最初に述べた、状態により様々ということです。よく、「もう少し永久歯が生えそろうまで待ちましょうと他院で言われたが、実際はどうなのか?」という質問を受けます。確かにこの方が良い場合もあるでしょうが、すべてには当てはまりません。極端な例ですが、重度の骨格性の不正咬合は、歯列矯正だけでは対応が難しく、外科矯正手術が必要な場合があります。その際は、成長発育がある程度落ち着くまで経過観察することもあります。しかし多くの場合は、歯の萌出、永久歯との交換、成長発育を考慮し、いろいろな時期に最小の治療介入することで解決出来ます。むし歯の治療で歯科医院を受診するだけではなく、普段から定期健診による生活習慣のチェックや歯列咬合の観察を受けることが重要です。

矯正治療の実施に際して

 矯正治療は単に歯並びがきれいになればいいわけではありません。単純に歯を移動させただけでは審美的な満足を得られないばかりか、機能的な問題が生じてしまいます。

 たとえば、長年にわたり身についてきた態癖などの悪い習慣で顎がずれている状態で矯正を行ってしまうと、一見きれいに歯並びは治ったようには見えますが、顎関節や筋肉の調和が取れないまま治療したために、矯正治療を受けて歯並びをきれいにしたのに噛みづらいということが起こるのです。

 当院では、しっかりと態癖などの問題点をチェックし診断を行い、適正な下顎位を探したうえで歯列矯正を行うようにしております。

ライフステージを考慮した対応

 乳歯列期から混合歯列期を経て永久歯列が完成される時期は、理想的な歯列・咬合が確立されなければなりません。また、歯のみならず顎関節、口腔周囲筋、咽頭周囲筋、頸部の筋肉、骨格などの正常な機能獲得も考慮しなければなりません。それによって初めて、咀嚼機能、摂食・嚥下機能、呼吸機能、発語機能という口腔の機能が正常に獲得され、健全な成長・発育を遂げたことになります。そしてその後の健全なエイジング、健康寿命の延伸へとつながります。しかしながら、先天的な異常がなくても、普段の生活における様々な習慣が正常な成長・発育を阻害し、生体にいろいろ問題を引き起こします。この時期に正常な機能が獲得されないと顔面や姿勢のゆがみを生じ、ひいては種々の形で全身に影響を及ぼし、やがてはその後の人生においても問題を残すことになります。そのような意味で学童期を中心とした時期は、お子さんにとってはとても大事な、決して後戻りの出来ない特別な時期なのです。

 当院では、以上のようなことを重要視し、態癖をはじめとする生活指導に力を入れ、筋機能訓練も合わせて行い継続的に管理することにより、適切な時期に必要最小限の矯正治療の介入で問題を出来るだけ解決する方法をとっています。もちろん全ての問題が必ずしも解決されるとは限らず、この時期の矯正治療を第一期治療とすれば、成長のピークが終わった頃の第二期治療が必要な場合もありますが、継続管理下にあればスムーズに移行出来ます。

 むし歯や歯肉炎も含めお子さんの現在の状態はどうなのか、もう矯正治療は始めた方がよいのかなど、保護者の方は他にも心配なことが多々おありになると思います。まずはお気軽にご相談下さい。なお、当院では矯正専門医との連携も行っております。
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