インプラント適応拡大のための関連手術

~断念せざるを得ない場合が少なくありません。いわゆる難症例と呼ばれるケースです。~ 

 インプラント埋入に際し局所的な状態が必ずしも良好とは限らず、そのままでは埋入を断念せざるを得ないことが少なくありません。そのような場合には目的に応じて種々の骨造成(骨を増やす手術)を行い、インプラントが埋入出来るようにします。

どのような場合?

    1. 骨量がわずかに不足し、フィクスチャーの一部が骨内に入らず露出する。
    2. 骨の高さや幅が極端に不足し、そのままではインプラント治療の適応にならない。
    3. 上顎洞までの距離が短く、インプラントを埋入するのに必要な十分な骨量がない。

    どのような手術?

    1. 自家骨移植
    2. チタンメッシュを用いた骨造成
    3. メンブレン(遮断膜)を用いたGBR(骨再生誘導法)
    4. 歯槽骨幅増大法
      1)リッジエクスパンジョン
      2)スプリットクレスト
    5. 上顎洞底挙上術
      1)ソケットリフト(歯槽頂アプローチ)
      2)サイナスリフト(側方アプローチ)

    インプラント手術は痛いの?

     インプラント治療をお考えの方で、「手術は痛いのではないか?」と心配されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。手術の経験もなく、どのようなものかよく分からないのですから、不安になるのも無理はありません。でも、心配はいりません。もちろん個人差はありますが、骨造成を伴わない少数本の埋入手術であれば、さほど腫れることもなく痛みも軽度で、鎮痛剤の服用も少なくて済みます。特に当院で積極的に導入している、抜歯後インプラント即時埋入手術(保存出来ない歯を抜いて同時にインプラントを埋入)では、ほとんど腫れることもなく、鎮痛剤を服用されない患者さんの方が多いくらいです。親知らずの抜歯の方が埋入手術より、はるかに腫れや痛みを伴います。また、いろいろな報道もあり手術は怖い、危ないと心配されている方もいらっしゃると思います。ご安心ください、当院では豊富な口腔外科の技術に基づき、安全で確実な治療を提供させていただきます。

    行う時期は?

    1. 一期的(インプラント埋入と同時に手術、同時法)
    2. 二期的(骨造成を行い、一定期間後に埋入、段階法)

    どのような基準で選択するか?

     一期的に行う方が手術は一回で済むためご負担は少なくなりますが、著明に骨が不足している場合は二期的に行うことになります。適応条件を十分に考慮して選択する必要があり、無理な治療計画は結果が失敗に終わるリスクが高まります。